2017年12月2日土曜日

トーデス・トリープ 歌詞




作詞・作曲:ユリイ・カノン

ねえ
ガラクタと化したこの世から逃げるのは
容易いはずなのに 未練がましく息をしている
屋上のフェンスを掴む手が凍みる

剥がれかけの夢が饐えていく
あまつさえ 痛みで眠れない

雨に濡れた路地裏の隅で 顔の無い猫の死骸を見た

今日もまた
群衆に溶けて 右に倣うだけの愚かな僕

人生という名の檻の中で
罰が下るその日まで怯えている


どうか
醜いくらいに美しい愛で
この心を抉ってくれよ

見えない救いに手を伸ばすように
夢を歌っている

いっそ
癒えないくらいにぐしゃぐしゃに裂いて
生きているって感じさせて

零れた感情を一滴残さず飲み干してくれ


傷を負うまで痛みは知らない
悲しいふりしていただけだったんだ

ぼろぼろに潰した理想の瓦礫から
這い出た芽は何を見る


神様、教えて僕達に 正しい人の生き方を

いつだって人は薄っぺらな情で不幸を哀れんだ

優しさで人は救われる?
いつかは僕も報われる?

死にたいとか宣うだけの日々

だれの心臓にもなれない


どうか
醜いくらいに浅ましい声で
赦しを乞う 僕を裁け

命の輪郭を伝う雫は何色だろう

こんな無様に歪んだ僕らの未来を
神様が嗤っているの

今日も 相も変わらず
答えの無い問に苦悩している


グッバイ また会えるその日まで
彼は遺書を綴りながら笑う

人間という怪物は
ここで罪をいくつ繰り返してきただろう


どうか
醜いくらいに美しい愛で
この心を抉ってくれよ

見えない救いに手を伸ばすように
夢を歌っている

どうか
醜いくらいに美しい愛で
この心を抉ってくれよ

生きていたいなんて願った
あの日の僕を殺して


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2017年11月28日火曜日

今日のごはん 考えるのでせいいっぱい



曲が出来上がる度に、今回こそはと思う。


アルバムに向けて今までに無いくらいに曲を作っています。

正直、僕は一曲作るだけでその時の全部を吐き出してしまうので
空っぽになってしまいます。

すでに公開している曲はともかく、
アルバムに入る曲は僕しか評価する人間がいません。
なのでちょっとした不満を見つけては何曲も捨ててきました。

本当に完成するのかいよいよ心配になってきました。


出来たばかりの自分の曲は、聴くと陶然とした気分になります。

でも隅から隅まで0から自分で組み上げたのだから、
何の驚きもありません。


僕は曲を作り始めた頃から漠然とした目標が目の前に横たわっている。

何年経ってもそれを越えられません。

聴いてくださる人の期待というのは実はあまり重圧になっていません。
それよりも自分自身がいつか自分に愛想をつかせてしまうのではないかと
弱気になっていく。


どうすれば自分が納得する曲が作れるのでしょう。

メロディー、コード、リズム、構成、歌詞。
どこに目を向けても何の綻びも見つけられないような完璧がほしいです。

多分これからも僕の作りたいものは常に形を変えながら、
あるかもわからない自分が納得できる曲を待ちかねるのだと思います。
見えない救いに手をのばすように歌っているのです。

でももしそんな曲が完成したら
多分今以上の音楽に対する姿勢や期待は無くなってしまうかもしれません。


次に投稿する曲はあまりにも自分の思うままに作ってしまい
正直なところ本当に自信がありません。
じゃあなぜボツにしないのかと思うでしょうけれど。

たまには何も媚びず何も憚らない曲を聴いてもらうのも悪くないと思いました。


ちなみに、その次の来年の一曲目となる曲は
久しぶりに自分にとっても会心作になったと思います。

ちょっとだけ期待していいです。




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2017年10月11日水曜日

撫子色ハート 歌詞




作詞・作曲:ユリイ・カノン

カルマに絡まり 身をゆだね落ちゆけど
極楽も地獄も 世に旧りてつれづれに

文明開化の鐘鳴らし やいやいと
さあ、そこのけそこのけ運命よ 私が通る

揃えた前髪 見据えるは花の道
楽あれば苦あれど 渡世は波瀾に満ち

砂上の戯れ言 馬鹿げた論も飽き飽きだ
さあ、お茶の子さいさい アヴァンギャルドを描くのさ

今宵は 浅き夢に酔いしれるの
あざける がらんどうな時代の中で

手のひら翻させてやればいいさ
明日は誰も知らない


花よいろはと 狂おしく染まれ

嗚呼 歌って踊って笑って泣いて恋をして

気高く凛として生きて
散るために咲いた命じゃない

死するまで征く この世界を彩るように


在りし日のかの思ゐでが
鬼の面して通せんぼ

宛てた恋文そらんずる
知らん顔して傘回す

あれやこれやと思えども
此の刹那さえ仇桜

紡いだ糸を綯い交ぜど
やまとなでしこ一日にしてならず


行けども行けども見えるのは未知の道
鷹の目も鵜の目も 賽の目は読めないし

遅かれ早かれ この波は千早振る
さあ、大船に乗り イデオロギーを越えるのさ


今宵は 満ちる月を背に唄おう
残りの人生 最初の此の時を

見果てぬ夢に終わる未来としても
死ねない 生きてる限り


花よいろはと 狂おしく染まれ
嗚呼 歌って踊って笑って泣いて恋をして

気高く凛として生きて
散るために咲いた命じゃない

奏でしことば 旋律に乗せて
嗚呼 ざっくりばらんと綴った明日に夢を見て

短し青き春 疾走れ
当たっても砕けず前に行こうか

願うだけでは届かない
だから歩き出そう


生まれた意味なんてわからなくて
だけど 淡い夢を抱き現実を生きて

思い通りじゃない世界だけど

芽生えたなら咲かせましょう
一度きりの此の人生



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2017年7月18日火曜日

スーサイドパレヱド 歌詞




作詞・作曲:ユリイ・カノン

這い出た先の泥黎中心街で
延命ばっかのそんなCRUDじゃあ
愛も買えないな

文明はデフォルメ化 宗教性に呑まれ
空を食らう幽霊塔から彼女は見ている

ノイズ混じりの警報が啼きだす
戒厳令の夜に生命論は歪む

Damsel In Distressはいない
「もういいかい?」

嗚呼――
詠唱崩壊 劣等人間
「さよならだ」

スーサイドパレヱド
共鳴 宣教 絶唱
神を呪う 言葉になれ

笑ってくれよ全部夢だって
愛の亡い脳内の奥でblackout

奇っ怪な世界だ
狂乱 淵叢 濫觴
ライヒェの雑踏 通りゃんせ

ルベル色の数を競って
Mege故に夢見妄信SHOW


甲斐無い心臓を差し出し
きみを救い出せるすべを手に入れても
嗚呼 こんな醜い姿を誰が愛してくれる?


斯かる愚民には
均したプロパガンダ
罰してばっかの偏執レッテル
「メセナはノータリンだ」

抱いた免罪符は
くだらん空理空論

人体贋造
Suitの道化は夢を見るのか?

信仰心の乖離 覆うアクチュアリティ
賽はさながら透徹した眼で

罪悪のない救済のイド

最初で最期の幸福さえも捨てたんだ

スーサイドパレヱド
生と死の乱聲
恐れを知らないその眼を射よう

わかっていたんだ全部夢だって
You're a liar
饒舌にスウィンドル

鬼面を被った少年は
自分の顔さえ忘れ 銃を向ける

maliceに満ちた怪物になって
半狂乱叫喚の行進さ

スーサイドパレヱド
共鳴 宣教 絶唱
神を呪う 言葉になれ

笑ってくれよ全部夢だって
愛の亡い脳内の奥でblackout

スーサイドパレヱド

今日死んだっていいって
いつだってそう思ってた

きみに触れて 心が芽生えて
生きていたいと願ってしまったんだ

嗚呼、
それが悪夢の始まりだった



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2017年6月15日木曜日

エレ・アヴァンギャルド 歌詞



作詞・作曲:ユリイ・カノン

ジュブナイルじみた
運命に堕ちて 誂えられた赤い糸

五線譜上のメルヘンキネマで
狂わせてよ るらりら 哀愁歌

根暗苦楽に奇声罵声
ジャンキーなワンルーム宗教で踊りましょう

一眼レフの脳裏に焼き付く
ピントがズレた痴れ言を


こんな世界 滅んでしまえばいいのに
だけどそれじゃ キミと結ばれないわ


ねえ 罪なキミの世界で 縛って置き去りにして
時の針に手錠をかけて齧る 禁じられた果実

触れたいの 痛いとわかってても
その棘だらけの心に

神様さえ見たことない 秘密のくちづけを求めてる


ペテン日和の午後四時過ぎに
語る言葉は本当の嘘

単調な駆け引き ためらう視線
髪を切ったの気付いてよ


ここは幽霊劇場だ
飽き飽きなエデンの戯曲

蛇よ私の手を引いて
楽園の外を教えてよ


ねえ 罪なき身に制裁を デザイアへ突き落として
ルーザー用の首輪をして 孤独なステージで踊る

笑えないね
愛を騙り 飼い慣らすなら好きにして

継ぎ接ぎした誓いなんて無駄なストラテジー


夢見がちな誰かの戯言を聞いて?
恋に溺れ 此処で心中しよう


ねえ 嘘だらけの世界で 本当の声を聞かせて
何者にもなれないけど キミだけのものになら

ねえ

ねえ 罪なキミの世界で 縛って置き去りにして
時の針に手錠をかけて齧る 禁じられた果実

死に届く猛毒の欲で廻るノワールのワルツだ

神様さえ妬むような
ほら アヴァンギャルドな終幕を

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2017年4月20日木曜日

まほろば少年譚 歌詞



作詞・作曲:ユリイ・カノン


いついつ出やる 籠の外
抜き足差し足じゃ おいてけぼりだ
倦まず弛まず歩けども
おぼつかない足取り

ないものばかりほしがって
探し疲れて続きはいつかとか
でも 手をこまね
つっ立っているよりはまだいいな

あめ あめ 降れやもっと
蛇の目の傘さしたいの

絢爛な模様のぼんぼりたちも
ただそれだけじゃ物足りないな
灯してよこころごと

まどかな月がのぼる今宵は
あまねく世に響くように謳え

巡るぐるり かりそめのいま
生き死になんて忘れちゃって

夢の道すがら 覚めないままで
その手を取って 闇夜だって駆ける

ちとせ流れても憶えていて少年の日の夢

これも誰かの掌の上
死にそうなくらい退屈な夜に
足音は言葉よりも雄弁に
躍る感情を響かせていた

今この瞬間でさえも
一秒後にはもう過去になるけど
逆らえない時の中で昨日の明日を生きる

花曇りの空だった
日に咲く暈が見たいの

息を止めても心臓は打つ
立ち止まっても地球は回る
時間は待ってくれない

まどかな月がのぼる今宵は
うたかたの物語を紡げ

満ちて欠ける 心模様に
字余りな思いを乗せて

命はまたたき 歌はとこしえ
未来世まで走り出せ少年よ

終わりのない永久にはない
夜明けを見ていたい

あー 何回 何千 何万回と生きてみても
わかんないなこの難問 解答なんて出ないや

なあ「もしも」だとか空論は昨日に捨てて明日を始めようか



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2017年1月29日日曜日

センチメンタルキネマ 歌詞

http://www.nicovideo.jp/watch/sm30512696

作詞・作曲:ユリイ・カノン

ぼんやりなメモリー どんよりな曇り
やっぱり雨降り 予報はまたもはずれ

逆巻くスクリーンはノイズ混じり
うら通りのひだり 今日だけ待ちぼうけ

起承転結なぞるなら
デジャブめいてるハッピーエンド
だけど知ってる この先にそんなシナリオはないの

恋の夕暮れ 雨模様
嗚呼 終わらないセンチメンタルキネマ

くるくるリールが廻り 汚れたフィルムを映し出す

泣き出した空 見上げれば
ほら 雨の中 落ちていくみたいだね

「どうか、幸せで」なんて
ごめんね 不幸を願っている 今日も

未だ留まる 捨て猫みたい
待ったりしたって 迎えになんか来ない

季節は巡り 歩道橋の上
懐かしい声 傘で顔を隠す

好きな色が変わるように いつか想いも薄れて
だけどどうしてこんなにも飾られた指が憎い?

「恋の終わり」と見送る日
いつもみたいに上手く笑えたのかな

それじゃあまたねと手を振る
最後の言葉は聴こえないフリした

恋の夕暮れ 雨模様
嗚呼 終わらないセンチメンタルキネマ

いつかの映画のような結末をすこし願っている

泣いて泣いては昏れる夢
嗚呼 終わらないセンチメンタルキネマ

エンドロールも近い
せめて最後くらいは どうか
忘れられないほど幸せな歌を



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